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リドリー・スコットなんて、結局こんなもん。
公式サイト デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの共演や、リドリー・スコットの監督作であることから話題の本作、引き合いに出されている「ヒート」の足下にも及びませんし、ましてや「スカー・フェイス」や「ゴッド・ファーザー」になんてとてもとても。単に共通点はヤクザ映画なだけです。 史上最低のヒットメイカーである弟のトニーよりは幾分マシとは言え、兄のリドリーが良かったのは「エイリアン」と「ブレードランナー」だけ(この二作だけは傑作と認めずにはおれません)、後は彼にとって余録の様なもの(せいぜい観られるのは「テルマ&ルイーズ」くらいまでと「グラディエイター」だけでしょう)、何故これほどまでにチヤホヤされるのか、私には全く理解出来ません。 良かった頃の彼と比べて、それ以降の作品の何がダメかと言えば、あまりにも個性が無さ過ぎる、この点に尽きます。 英国のフィルム・メイカーの彼が、ハリウッドに渡った時点でその才能がスポイルされたのか、或いは彼がハリウッドに日和ったのか、それはどちらでも良いのですが、とにかく何でも蒸気を吹き出させておけ、と言った頃の彼の撮る絵は本当に素晴らしかったと思うのです。 暗く、湿り気を帯びた独特の世界観。何かが腐った、夜明けの繁華街の香りさえしてきそうな未来図。そんな風景に私たちはかつて魅せられたのです。 彼が撮った、ヒップホップやソウル・ミュージックの流れるニューヨークなんてちっとも観たくは無いのです。そう言う映画は、スパイク・リーに任せておけばいいのです。スパイク・リーの描く暗黒街やNYに比べ、リドリーの描くそれらの何と現実感の希薄なこと。 この視点は、まぎれもなく旅行者のそれでしかないのです。決して立ち入らず、触れず、呼吸さえしない、客観者のまなざし。 もちろん実話がベースである事から、そうしたアプローチを取った、と好意的な見方をする事も可能でしょう。 しかし、問題はそれにはとどまらない所が一番の問題なのです。 彼は最後まで、「見る」事しかしないのです。ここには作家性を放棄した職業監督の姿しか浮かびません。 本作に救いがあるとすれば、デンゼル・ワシントンの相変わらずの、何を演じても手を抜かない素晴らしさだけでしょうか。これさえも、登場人物を掘り下げないリドリーの演出のお陰で「トレーニング・デイ」の時の彼とは比べるべくもありません。デンゼルがフランクになりきろうとする度に、つまらないこけおどしの描写なんかが挟み込まれ、緊張感が全く持続しないのです。 そろそろ、過去の名前で晩節をけがすのは止めて欲しいものです。 「アメリカン・ギャングスター」の映画詳細、映画館情報はこちら >> アメリカン・ギャングスター@映画生活
by unit7of9
| 2008-02-03 13:38
| 映画
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