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承前
それでは気を取り直して。 前回のライブで歌われた「バンブー」。 その時にも書かせて頂いたのですが、初めて聴いたのに胸にすっと落ちてきた歌詞とメロディを持つ、本当に素晴らしい曲です。 誤解を恐れずに言えば、広い意味で人生の応援歌とも言える内容なのですが、押し付けがましさの欠片も無く、あくまで自然体の自己肯定に終始するその姿勢は潔く、かつストイックですらあります。 恐らくは世の中の多くの人達が忘れつつある大切な事、 「足るを知る」と言う、 些細ではあるけれど、この苦しみや悲しみに満ちた世界を、ほんの7、80年の間だけ何とかやりくりして楽しく過ごす為の、その為に必要なたった一つの知恵を歌った歌です。 誰にとっても、生きて行く為の日常は、色んな倦怠や疲労や辛苦に満ちています。 生きるって言うのは、きっとそう言う事だから。 だけど、それだけじゃない。 大切なのは、そう言う事だと思うのです。 ふと立ち止まって見上げた空の美しさだとか、ふとした瞬間に家族の間で同時に溢れる微笑み、初夏の夜風の心地良さ、美味しいものを口にした時の胸にじんわりと広がる喜び、素晴らしい小説や映画や音楽に打ちのめされた時の高揚感、忘れた頃によみがえる旅先の香り、他人と同じ感動を共感出来た時の一体感。 瞬間の喜びが、それよりも時間的には遥かに長い苦しみの思いを一気に溶かしてしまう事が、人生の中ではままあると思うのです。 この先に、何が待っているか。 それは誰だって怖い。 だけど、私たちは長い人生でほんの一瞬訪れるだけの些細な幸福の時間を繋ぎ合わせ、イヤだろうが何だろうが生きて行かなくてはいけないのです。 なぜならば、「生きる」事が私たち生物を生物足らしめているのですから。 そこに根源的な意味が存在しないのならば、同じ時間をやり過ごすなら、肩肘張らず、風に流され、情に溺れ、しなやかにたったの7、80年を楽しめばいいじゃないか。 だって、ちょっとした幸福な瞬間はきっと探せば幾らでもあるから。 そんな歌です。 だから、彼女は他の「暑苦しい」人達の様に、「振り返るな」とか「必ず」夢は叶う、なんて歌いません。 振り返っても良いから。それが幸せな瞬間であったなら。 叶わない夢だってある。それでもいいじゃないか。 もっと、自分を認めてあげてもいいんじゃないか? そう歌うのです。 伸びやかな素晴らしい声で。力強く。 凝りに凝りまくったメロディとアレンジに乗せて。 もう一度書きます。 単に、惚れっぽい私が彼女に恋しているだけかも知れません。 もしくは、心理学的に言えば、素晴らしく優秀なカウンセラーとしての彼女の言葉が、私に転移を強いているのかも知れません。 それでも、こんな時代だから、世界中に悲しみが満ちて、多くの人々がパーソナルな問題で、或いは個人ではどうしようもない悲しみで、顔を上げて明日を迎えるのが恐ろしくなる様なこんな状況だから。 だからこそ。 こんなにステキな歌が街に流れて欲しい。 そう思うのです。 次回は、ライブレビューです。 どうか、もう一度だけお付き合いを。
by unit7of9
| 2010-03-02 19:14
| 音楽
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